2013年5月1日水曜日

アドルフに告ぐ

今回は、最近読んだ漫画のことを。
手塚治虫の『アドルフに告ぐ』です。

きっかけは、最近DVDで見た「アンネの追憶」という映画。
よく知られるアンネの日記のその後の話です。
映画としては、うーん今一つ・・という印象だったのですが、あまりにもひどいユダヤ人に対する行為に目を背けたくなることが多く、人間というものは、こんなに冷酷に、こんなに非人道的なことができるのか・・・、そこには良心の呵責はないものなのか・・・と、今更ながら深く考えこんでしまいました。
それに、明らかに人道的におかしいと思うことを、どうして当時のドイツの国民は信じていたのだろう?という疑問も。

映画の後そんなことを旦那さんに話していると、お勧めされたのがこの漫画。
同じく第二次世界大戦前後のナチス時代のドイツと、日本の話です。
読み始めると、神戸が舞台のお話なので、でてくる地名に望郷心をくすぐられること!!
この時代にも三宮にそごうはあったんだなぁ・・とか。
元町、北野、有馬温泉、阪神電車・・・それだけでもきゅんとします。

この漫画のすごいところは、戦争を題材にしていますが、誰が正義で誰が悪とか、何が良いか悪いとか、どの国がどうとか、そうことを問題にしているのではないところです。
誰もが自分の中に正義感を持っているのに、いや、むしろその正義感があるからこそ戦争や差別が起こるということ。
正義という名のもとでは、どんなことでもできてしまうし、誰もが誰かの悪になりうるということ。
そして、戦争が終わっても、その問題は今もずっと続いているということ。

こんな深いテーマを漫画で表現できるっていうのもすごいし、そういう大きな視点で歴史や物事を見ることができるということもすごい。
そう思いました。

だから、私にとって悪と思えるヒトラーでも、ちゃんと彼の中には正義があり、だからこそそれについていく国民がいたのですよね。

正義ってなんなのでしょう?

最近、こういう社会派の物語に興味がでてきたのは、旦那さんの影響かもしれません・・・。



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